Owned Art vol.03
内田ユッキ

絵描き / artgallery opaltimes代表

内田ユッキ アート作品
好きな作家さんを招いて最高な空間が作れると、作品達が去っていくのが名残惜しくなります。

アート作品を「所有したい」と最初に思ったのは、いつ頃ですか?

私が作品を所有したいと思うようになったのは、自分でスペースを借りてギャラリーを運営し始めてからです。ギャラリーを始める前は作家として制作活動をしていて、自宅には自分の過去作品が溢れ家族からそれについて苦情が出ることもしばしばだったので、さらに他の方の作品まで(画集やグッズは集めていましたが)所有してはいけないのではないかと考えていました。

アート作品を購入することに至った決め手はありますか?

ギャラリーで自分の好きな作家さんを招いて自分にとって最高な空間を作ることができると、会期が終わって作品達が去っていくのが名残惜しくて欲しくなります。これから作品を販売していく者として自分でも購入を体験して、作品を収集する方の気持ちをもっと理解したいという気持ちもありました。

所有しているアート作品はどのように楽しんでいますか?

箱にしまって大事に保管するような事はなく、家具の一つとして様々な場所に飾っています。

私の楽しみ方を強引に分類すると、
『シンボル』...おやつやパンを置いている場所にたい焼きのキャンバスプリント作品を飾ったり、寝室に良い夢を見れそうな絵を飾ったり「ここはこういう場所だよ」と象徴する作品を飾る。子ども達が大きくなった時に「そういえば昔実家に絵があったな」と思い出してもらえたら面白いかなと。
『研究』...なぜだかその時期自分に響いたものやシンパシーを感じたものは、生活の中でよく目につく場所やアトリエに設置して「なぜこんなに惹かれるのか」と答えを探してみたりする。子ども達と選んだ作品は子どもの目線の高さに配置して、彼らがなぜその作品を選んだのか言葉を引き出したりする。
『アーカイブ』...ギャラリーのバックヤードにある備え付けの棚にこれまでギャラリーで展示してくださった作家さんの作品を並べ、アーカイブとして人に見せたり自慢したりする。の3つになるかと思います。

自分のギャラリーで初めて入手した作品:郡司侑祐さんの小さな額装作品、川瀬知代さんの招き猫、間芝勇輔さんのだるま、BOMさんのフラワーポット。 ギャラリーのバックヤード棚右:犬おわりさん、内田百合香さん、みなみりょうへいさん、my ceramicsさん、村松佑樹さん 他。

上__自分のギャラリーで初めて入手した作品:郡司侑祐さんの小さな額装作品、川瀬知代さんの招き猫、間芝勇輔さんのだるま、BOMさんのフラワーポット。下__ギャラリーのバックヤード棚右:犬おわりさん、内田百合香さん、みなみりょうへいさん、my ceramicsさん、村松佑樹さん 他。

会場内を360度 見渡せるようにしたが、作品が互いに呼応するような感覚を味わう体験には及ばない。

オンライン上で展示や作品を見ることと、実際に生で見ることの違いはありますか?

我がギャラリーでもコロナウィルスの流行でお客さんを呼べなくなった事をきっかけに、展覧会のオンライン化とWEBショップを始めました。腕の良いカメラマンさんに作品を撮影してもらったり、会場内を360度 見渡せる仕組みを作ったりしましたが、やはり作品を生で見て画面の細かな筆跡やテクスチャーに感動したり、一つの空間の中で個々の作品が互いに呼応するような感覚を味わう体験には及ばないなともどかしさを感じています。
でも遠くに住む方達が作品を購入してくださる機会はとても増えたので、へこたれずに企業努力を続けたいと思っています。

どんなアート作品をこれから所有したいと思っていますか?

先日京都のitouさんのオンラインショップで初めて作者不明の絵画作品を購入しました。サインは入っているのですがインターネットで検索してみても情報が出てこなくて。でもまさにこういうのが欲しいと直感で思うような大胆な抽象絵画でした。絵画でもセラミックなどの立体作品でもダイナミックでぼこぼこしていて飽きのこない説得力があるものに惹かれる傾向があります。

ギャラリーのバックヤード棚左:内田百合香さん、木澤洋一さん、SINPOCOさん、犬おわりさん、はまぐちさくらこさん 他。 おやつ置き場:伊波英里さん、郡司侑祐さん(子どもと一緒に選んだ小作品)

上__ギャラリーのバックヤード棚左:内田百合香さん、木澤洋一さん、SINPOCOさん、犬おわりさん、はまぐちさくらこさん 他。下__おやつ置き場:伊波英里さん、郡司侑祐さん(子どもと一緒に選んだ小作品)

作品を購入する事は、作品を通して作家さんの「良い部分」と購入した人の「良い部分」がつながる事。

あなたにとって「Owned Art(所有しているアート作品)」は、どんな存在ですか?

ちょっとスピリチュアルな感じになってしまうのですが、作品を購入する事は作品を通して作家さんの「良い部分」と購入した人の「良い部分」がつながる事だと思っています。ギャラリストは人々の「良い部分」をつなげて増幅させ、世界を相対的に見て「良い」の方に傾ける仕事なのかと認識しています。

アート作品をこれから購入する方に向けてアドバイスなどありますか?

今年の初めにもともとそこまで美術に熱心ではない夫がベルリンに旅行に行ったのですが、そこで知人の音楽スタジオをいくつか訪ねて、帰ってくると「俺も絵を飾りたい」と言い出しました。スタジオ内や廊下に所狭しと作品が飾られていたのを見て羨ましくなったようです。
夫が好きそうな作品の展覧会を紹介すると、すぐにそこへ足を運んで作品を購入し、それに合わせて家具や別の作品を買ったり事務所をどんどん素敵にしています。一番身近な人物がコレクターとして育っていくのは見ていて幸せです。「この部屋にこんな感じの作品が欲しい」という希望が出てきたら是非ご相談ください。

夫の事務所:河合浩さん、RYOTA NISHIKAWAさん、ミロコマチコさん 夫の事務所:河合浩さん、RYOTA NISHIKAWAさん、ミロコマチコさん

夫の事務所:河合浩さん、RYOTA NISHIKAWAさん、ミロコマチコさん

内田ユッキ(絵描き / artgallery opaltimes代表)

絵描き。artgallery opaltimes代表。
年間約12本の展示企画をディレクションしています。
opaltimes Website
Instagram:@uchidayukki
Instagram:@opaltimes

内田ユッキ