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Owned Art vol.04
吉村祥

FOLK old book store

吉村祥 アート作品
10円で買い叩かれる本も、自分で自由に値段をつけられるところに、価値への面白さを感じていた。

アート作品を「所有したい」と最初に思ったのは、いつ頃ですか?

小さい頃から漠然と将来はお店をやりたいなと考えていて、25歳頃に、手元にある本を売るところから始めたらいいんじゃないかと思ったことがきっかけで、今のお店を始めました。古本屋に持ち込んだら10円で買い叩かれる本も、自分で場所を持てば自由に値段をつけられるところに、価値ってなんだろうという面白さを感じていました。
自分の店をオープンする前に行っていたブックカフェのbeyerさん(現在は閉店)やCalo Bookshop & Cafeさんで展示が行われているのを見ていて、いいなと思っていたため本格的に作家さんの展示も始めました。それが27歳頃で、その頃に購入したなかで特に印象深いのは、展示をしてもらった佐賀県在住の姉妹アーティストちえちひろの絵と陶器のお皿ですね。

アート作品を購入することに至った決め手はありますか?

ちえちひろさんの陶器のお皿はアートピースとしてはもちろん、実際に使うこともできるので家に迎えることを想像しやすかったです。もちろん作品としての魅力がすごくありました。その他に、自分が近く子供を授かる予感がしていたときに購入した絵があって、それはやはり子供の存在を予感させる絵でした。
展示を行っていただく作家は、ご縁があったりお話をいただいたりで決まっていくことが多かったですが、最近はいいなと思う方にお声をかけています。いいなと思う基準は勘としか言いようがないですが…「約100人のブックカバー展」というたくさんの方に参加していただく企画があり、そこでお声かけをして交流が生まれて個展も、という流れもあります。

ちえちひろさんの絵 ちえちひろさんの陶器のお皿

上__ちえちひろさんの絵。下__ちえちひろさんの陶器のお皿。

所有しているアート作品はどのように楽しんでいますか?

絵はほとんどテレビの上や本棚にざっくばらんに置いていて、何気なく常に目に入るところにあります。お皿の作品は醤油皿にしたりシュウマイを乗せたりからあげを乗せたりしています。

オンライン上で展示や作品を見ることと、実際に生で見ることの違いはありますか?

肉眼で作品を見るときの驚きや喜びはもちろんありますが、モニター越しでも多くの人の目に触れられるオンラインには、可能性があると考えています。

どんなアート作品をこれから所有したいと思っていますか?

元々は絵が好きですが、最近は置き物など立体のものが重かったり手触りがあったり、手にする喜びがあるなと感じています。個人的には、少し不思議なものや自由さを感じるものに惹かれる気がします。

はまぐちさくらこさんの絵 最後の手段さんのぬいぐるみ

上__はまぐちさくらこさんの絵。下__最後の手段さんのぬいぐるみ。

作品を購入することは尊敬する作家への支持の意味も大きいが、購入したお店への支持も大きい。

あなたにとって「Owned Art(所有しているアート作品)」は、どんな存在ですか?

所有することで身近に感じられる喜びはもちろんですが、作品を購入することは尊敬する作家への支持の意味も大きいですが、購入したお店への支持も大きいです。写真のものは自分の店の他にPulpNEW PURE +opaltimesで購入したものです。恥ずかしながら経済的な波が大きく、欲しくても買える時と買えない時が明らかですが…。

アート作品をこれから購入する方に向けてアドバイスなどありますか?

家に迎えたときの様子を思い浮かべる。自分の置かれている状況にリンクするような作品を選ぶ。などでしょうか。

鈴木裕之さんの絵 スケラッコさんの絵

上__鈴木裕之さんの絵。下__スケラッコさんの絵。

吉村祥(FOLK old book store)

大阪北浜で古本、新本、個人出版本、服、食器、雑貨などなど自由に販売しています。小さいギャラリーもあり、定期的に展示も行っています。2020年4月からは大阪谷町六丁目で友人と共にPOLというギャラリー、本、CDのショップもオープン。
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